岩手・陸前高田市に完成した新庁舎のBCP対策がさすがだ!

津波で全壊後、再建まで10年かかった

岩手県陸前高田市は2021年5月6日から新庁舎で業務を始めました。岩手県沿岸部の最南端にある同市では、東日本大震災の津波で市役所が全壊し、職員111人が犠牲となりました。あの日から10年プレハブの仮庁舎住まいが続いていたのです。この記事では被災経験を踏まえた新市庁舎のBCP対応を中心に紹介します。

免震構造の7階建て

完成した新市役所の庁舎棟は免震構造の鉄筋コンクリート造り7階建てで、高さ33・1m。総事業費約46億6000万円で、広さ約1万3000㎡の敷地にこの庁舎棟のほか車庫・倉庫などが整備されました。

写真説明:庁舎棟の地下にある土台部分には揺れを軽減する筒状のダンパーが設置されている(陸前高田市提供)

場所は旧庁舎より約700m内陸側で、震災のときに浸水した小学校跡地を約5mかさ上げし海抜17mとなったところです。

ライフライン対応

災害時に行政機能を継続するために電気や水道などのライフライン対応が充実しています。

◆電源
庁舎棟の屋上にある非常用発電機で、連続240時間(10日間)の運転ができます。

写真説明:屋上に設置された(左手前から)非常用発電設備、燃料タンクなど(陸前高田市提供)

連続運転可能240時間という設定は、東日本大震災のデータを参考にしています。市によると、東北電力管内で発生した停電が90%復旧するのに120時間(5日間)かかりました。連続運転可能時間は、このデータを2倍にした設定です。使用する燃料は軽油で、タンクに常時備蓄しています。

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